大判例

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大阪高等裁判所 昭和26年(ネ)1116号 判決

控訴人等は「原判決を取消す。被告が昭和二三年一二月二〇日付買収令書により、原判決末尾の第一ないし四目録記載の各農地についてなした買収処分はいずれも無効であることを確認する。もし無効でないときはこれを取消す。」との判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述及び証拠関係は原判決事実摘示と同一であるからここにこれを引用する。

三、理  由

まず控訴人等の無効確認請求に対する被控訴人の本案前の抗弁の理由のないことは原判決理由説示のとおりであるからこれを引用する。

次に右無効確認請求の本案中、滋賀県農地委員会が買収計画についての訴願の裁決のないうちに右計画を承認したことを理由として買収処分の無効を主張する点について考えるに、被控訴人は、滋賀県農地委員会では昭和二三年一〇月一八日本件以前の買収計画に対する控訴人等の訴願を棄却すると同時に、虎姫町農地委員会が改めて本件農地について買収計画を定めた場合、控訴人等からさらに同様の異議訴願が出されることを予想し、その場合は右の裁決を以て爾後裁決をしたものとする旨の附帯決議をしているので、控訴人等から同年一一月二九日に提起せられた本件訴願については、右附帯決議の趣旨にもとずきその提起と同時に棄却の裁決がなされたと同一の結果になると主張するけれども、行政庁がその処分につき訴願の提起を受けたときは、その審査をした上でこれについて裁決をし、その結果を本人に告示することを要するものであるから、前の訴願についての裁決の附帯決議に後の訴願についての裁決の効力を認めることはできない。そうして昭和二三年一二月二四日に至り県農地委員会は本件訴願につきあらためて控訴人等の訴願を棄却する旨の裁決をなしたが、買収計画の承認はそれに先立つて同月一日になされていることは当事者に争がない。そうすると右裁決と承認とは法定の順序に違い、その点において違法であることは明かであるが、右の違法はその順序を誤つたと云う形式の点に止まり、その為に何等買収処分の実質に影響を及ぼすものとは認められないから、このような瑕疵は買収処分を無効にするほど重大なものではないと云わなければならない。従つて控訴人等の前記主張は失当である。

控訴人等のその余の主張にもとずく無効確認の請求の理由のないこと及び控訴人等の予備的請求の不適法であることは原判決理由説示のとおりであるからここにこれを引用する。

よつて控訴を理由なしとし、民訴第三八四条、第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 吉村正道 林平八郎 大田外一)

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